ノリコ=ポーロの西方見聞録

勉強できない、英語しゃべれない、でも広い世界へ飛び出したい!との思いから、添乗員となり世界中アチコチ飛び回り、様々な人たちとの出会いや交流、旅のドタバタ劇などをご紹介していきます。このブログは、星野管工(株)発行のホシカン通信に掲載しているコラムのバックナンバーです。

ますの寿司

 私の所属した派遣会社は、色々な旅行会社のツアーを委託していたので、まず新人の私達はKツーリストの「日帰りびっくりバスツアー」でのデビューとなりました。

 研修を終えたとは言え、いきなり一人での初仕事。旅行の日程表、名簿、お客様への案内マニュアルを握りしめて集合場所である、東京駅の八重洲北口で目印の赤い旗を片手にお客様を待つのでした。

 手頃な価格の日帰りバスツアーは、年配の方々に大変人気があり、朝7時頃集合、出発して帰りは夕方の6時頃までに帰着するツアーがほとんどでしたが、高速道路が渋滞をした場合は、東京の安いビジネスホテルに泊まらなくてはなりませんでした。桐生から通っていた私には東武伊勢崎線りょうもう号が唯一の帰宅手段だったので、渋滞した時には終電に間に合うかどうか、毎回、時計とにらめっこしていました。

 日帰りバスツアーに慣れてくると今度はバスでの1泊、2泊のツアーに昇格しました。まずは近場から徐々に遠くなり、日数も長くなってくるのでした。

 人気の高い伊豆方面 「修善寺温泉、熱川、熱海、下田」、北陸方面 「立山・黒部アルペンルート」、「能登半島・輪島の朝市と永平寺」、「金沢の兼六園と加賀屋」、「たらい舟と佐渡ヶ島」、等々、毎月20日間位は仕事でどこかに行っていました。ツアーに添乗する方面、コース等は一切選べなかったので、時には毎週のように同じコースに行くこともあり、だんだん各地のホテル、お土産屋さん、バスの乗務員さん達とも顔見知りになって来ました。

 各地の名産品をお土産として家に持ち帰っていましたが、中でも私は富山の「ますの寿司」が大好物だったので毎度のように買って帰り、我が家の夕飯の食卓には、ほぼ毎週「ますの寿司」が並んでいました。

 今は北陸新幹線が開通したので、昔に比べて北陸地方がぐーんと近くなりました。今度、新幹線で北陸方面を訪れてみたいと思っています。