ノリコ=ポーロの西方見聞録

勉強できない、英語しゃべれない、でも広い世界へ飛び出したい!との思いから、添乗員となり世界中アチコチ飛び回り、様々な人たちとの出会いや交流、旅のドタバタ劇などをご紹介していきます。このブログは、星野管工(株)発行のホシカン通信に掲載しているコラムのバックナンバーです。

Vol.51 初海外添乗 ロスバゲで心折れる

翌日は、ウィーン市内の見所を現地の日本人ガイドさんの案内で観光して、夜は今回のツアー一番の目玉でもある音楽宮殿で、カルテット(四重奏)の生演奏を聴きながらの素敵なディナーが予定されていました。

 

私は、現地の日本人ガイドさんにお客様のスーツケースがいつ届くか!を航空会社に電話連絡して貰い、もう市内観光どころではない気持ちでした。当時は、まだ携帯電話もメールもない時代でしたので、観光の途中で立ち寄るお土産屋さん、またはランチのレストランの休憩時間に電話をするしか方法がありませんでした。

 

そして、どうしても今夜のディナーまでに間に合うようにホテルに届けて欲しい!という事を伝えてはいましたが、はっきりとした時間を教えては貰えませんでした。

 

そして、ついに市内観光からホテルに戻り、フロントに確認してもまだ荷物は届いていなかったのです・・・。

 

ディナーの出発時間まではもう2時間しかありませんでした。

 

まさか、こんなことになってしまうなんて。。。

 

私は、お客様のお部屋に行って、事情を説明して、今回は荷物の到着が間に合わないので、そのままのお洋服でも大丈夫なので、是非ディナーに参加してください!とお伝えしてもお客様は「こんな普段着では参加したくないので、部屋に居ます!」とご立腹されて、「私の持参したワンピースで良かったら着てください。」と色々と説得を試みたのですが、もうお客様は、頑として受け入れてもらえず・・・

 

仕方なく、出発時間になったので、一度グループのお客様を宮殿レストランにバスでご案内してから、あとはガイドさんにお任せして、私は一人地下鉄に乗り、ホテルにとんぼ返りしたのでした。初めてのウィーンの街。

 

地下鉄の切符売り場もわからず、列車に飛び乗り、無賃乗車でホテルに帰りました。

 

その後もお客様の夕食をホテルのルームサービスで頼んで、お部屋に行きましたが、新人だった私は上手く事情を説明することが出来なくて、夜の21時頃まで2時間近くお説教されていました。

 

そして、ロビーでぐったりしている私にたまたま同じホテルに宿泊していた別のツアーの先輩が優しく声をかけてくれて、私を慰めてくれました。

 

「ロスバゲは、よくあることだし、添乗員のあなたの責任ではないのだから、はっきりと航空会社の手配ミスであることをお客様に説明しなくちゃ!まだツアーも始まったばかり!しっかり頑張って!」と励まして頂きましたが、「私はこの仕事には向いていないんだ。

 

もう無理だ~。日本に帰国したら辞めよう。(涙)」とまで考えていました。

つづく・・・