ノリコ=ポーロの西方見聞録

勉強できない、英語しゃべれない、でも広い世界へ飛び出したい!との思いから、添乗員となり世界中アチコチ飛び回り、様々な人たちとの出会いや交流、旅のドタバタ劇などをご紹介していきます。このブログは、星野管工(株)発行のホシカン通信に掲載しているコラムのバックナンバーです。

パブの話

勉強の話は余り覚えていないのですが、
それなりに語学に励み、
学校から帰宅後に宿題を済ませ、
翌日の準備をしたり友達と買い物に行ったり、
中でも一番楽しかったのは、
夕食後に行きつけのパブに行き、
学校の友達とみんなで楽しい時間を過ごすことでした。

 

9月から通い始めたイーストボーンの語学学校には、
スペイン人の学生たちが沢山来ていたので、
スペイン人十人位の中に混じってよく一緒に出掛けました。

 

スペインの仲間達は、
お酒が進んで来ると、
手拍子とみんなの歌に合わせてフラメンコを踊りだして
本当に陽気な友達ばかりでした。

 

私は短大を卒業したてで、
そんなにお酒の種類を知らなかったのですが、
仲間達にパブで色んな種類のお酒を教えて貰いました。

 

きっと、
現在の私のお酒好きの礎はこのイギリス遊学時代に培われたものでしょう!

 

ここで少々パブのお話をしたいと思います。

 

イギリスと言えば、
ポストの数より多いのがパブの数と言われています。

 

お酒を出すだけと思われがちすが、
昼間は美味しいランチを出す店も多く、
お茶を飲んだり、
カフェとして利用したりもしていました。

 

パブは一見すると入口が薄暗くて、
ちょっと敷居が高い雰囲気もありますが、
そこをがんばってクリアしたらカウンターで立ち飲みしている人達や、
テーブル席で寛いでいる人達がいますので、
カウンターに行ってレジがある所で、
注文してお金を払うとビールが出てきます。

 

日本のセルフサービス形式と一緒な感じです。

 

ビールは、
1パイント(1pint =568ml)がビールのロング缶位で、
1/2パイント(ハーフパイント280ml)が缶ビールより少なめとグラスのサイズです。

 

「1pint of Guiness,please」 「ギネスビールを一杯ください」

とレジで注文すればOK。

 

イギリスはギネスという黒ビールが有名ですが、
その他にもいろんな種類の地ビールが揃っていますので、
是非パブに入って見て下さいね!

料理はやっぱり・・・

 皆さんはイギリス料理と聞いて何が思い浮かびますか?

 

 ローストビーフ、サンドイッチ、フィッシュ&チップス、アフタヌーンティーで有名なスコーンetc・・・。

 誤解を恐れず言いますが、どれもあまりお口に合わないというか、味気ないというか。ローストビーフは硬くて、日本のスーパーのお惣菜のローストビーフの方が美味しいですし、フィッシュ&チップスは白身魚のフライと大量のポテトフライを塩コショウしているだけなので、ケチャップ、マヨネーズをかけて食べる。(とはいえ、20年以上も前の話ですので、もし現在は改善されていたらごめんなさい・・・。)唯一サンドイッチは、本場だけあって種類も豊富で比較的安く手に入り、美味しかったです。

 

 そんな国に一年間も滞在するとさすがに日本の料理がとても恋しくなり、日本の味に少しでも近い食べ物に飢えてくる。

 よく友達と行っていたのは、中華、インド、ケバブの料理店。物価の高いイギリスにあって、どこの店も安くて美味しくて、私の味覚のオアシスでした。

 

 ロンドンにはソーホーという横浜中華街のような地域があり、チャーハン、餃子、飲茶等、たくさんの店がひしめき合い、美味しい中華が楽しめます。

 

 また、イギリスの植民地だった関係からか、インドの人たちも多く、本場仕込みのスパイシーな美味しいカレー料理店も沢山あります。

 

 ところで、世界の三大料理って知っていますか?  中華料理、フランス料理、なんとトルコ料理なのです。

 

 個人的には、日本料理、イタリア料理、中華料理が私の中の世界三大料理ですが。  なぜなら、食べ物の発祥地より美味しくバージョンアップさせてしまうのは本当に見事だと思います。ラーメン、カレーライス、パスタにピッツァ。

 

 日本に遊びに来たイタリア人が「ナポリよりも東京のピッツァのほうが美味しいよ!」と言わせるほどです。

 

 世界に誇る日本食、日本人に生まれて良かったな~とつくづく思うのでした。

ロンドン♪ロンドン♪ PART2

ロンドン観光とミュージカル観劇に繰り出した私達。

数々の有名な作品、オペラ座の怪人、キャッツ、
レ・ミゼラブル、マンマ・ミーア、
その他多くの作品の中から、
友人がミュージカル初心者の私の為に楽しめるような作品を
選んでくれたのです。

 

その作品は「Rockey Holler Show!」(ロッキー・ホラー・ショー)。

 

コメディのような、歌あり、
笑いありのとってもリズム感の良い楽しい作品で、
厳選してくれた友人に感謝です。

 

何より劇場に行ってまず驚いたのが、
観客の人々がその劇中の人物と同じファッション、
メイクでノリノリで来ていたことです。

 

一世を風靡したレイザーラモンHG
パラパラ漫画でブレイクした鉄拳、
世紀末のデーモン閣下
といったハードレザーのぴっちり黒衣装にカラフルな髪型。

 

所謂パンクファッションの人たちが
たーくさん見に来ていたのも印象深かったです。

 

さて、ここで少々ロンドンのお勧めな場所をご案内したいと思います。

 

ロンドンの街の中心地と言えば、
ピカデリー・サーカス
トラファルガー・スクエア。

 

その界隈のリージェント・ストリート、
オックスフォード・ストリート等には
高級ブティックが立ち並びます。

 

貧乏学生には近寄りがたいエリアで、
勇気を出してハロッズでウィンドウショッピングをするぐらいでした。

 

ちょっと中心地からは外れますが、
「コベント・ガーデン」と言うショッピングモールもオススメ。

 

沢山のかわいいグッズがお手頃なお値段な上、
気軽な飲食店も充実。

 

日曜日には大道芸や小さなコンサートも行われていて
ロンドンの雰囲気を満喫できます。

 

また、ロンドン名物の青空市場
「カムデン・タウン」もオススメ。

 

いわゆる蚤の市で、
不思議な物や素敵なアンティークが売られているだけでなく、
パンクファッションの人達がいたりして、
人も、品物も、とってもユニーク。

 

お時間がある方は、足を延ばしてみても楽しいかもしれませんね!

ロンドン♪ロンドン♪

イーストボーンでの生活にもすぐに馴染み、
クラスメートともすぐに仲良くなりました。

 

せっかくだからロンドンにミュージカルでも見に行こう!

ということで、
日本人五人とスイス人の一人の総勢六人で一泊二日の週末旅行を計画。

 

イーストボーンからロンドンまでは、列車で約2時間。

 

ミュージカルの上演時間が夜のため、
ロンドンに一泊することにしました。

 

日本では、最近はカプセルホテルとか、
外国人旅行者のためのお手頃な簡易宿も増えてきましたが、
二十年前の東京は、YMCAとユースホステル以外は、
ほとんどが高級なホテルばかり。

 

よって、ロンドンもさぞや高い宿ばかりであろう、
と思いきや高級ホテルはもちろんのこと、
様々なレベルの宿がたくさんあり、
特に貧乏学生に嬉しいのが、
B&B(Bed &Breakfast)というある程度清潔で、
安全な宿もたくさんあったので非常に助かりました。

 

B&Bは、お部屋にベッドが並んでいて、
バス&トイレが部屋付きのものや、
共同のもの、それに朝食付きのものなど、
予算や場所、希望に応じて選べる宿泊施設です。

 

今回は自分たちの行動する範囲近くのB&Bを選びました。

 

ロンドンと言えば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?

 

エリザベス二世女王陛下がいらっしゃるバッキンガム宮殿、
ビッグベンと国会議事堂、ロンドン塔、大英博物館
タワーブリッジ、等々その他沢山の観光名所があります。

 

ロンドンの町は地下鉄も東京と同じぐらい整備されていますし、
赤い二階建てのバスも路線が分かれば便利なので、
比較的簡単に街歩きを楽しめます。

 

疲れたり、夜遅くなってしまったら、
紳士の代名詞のように市民の誇りとされている黒塗りのロンドンタクシーに乗れば、
きちんとホテルに帰ることが出来ます。

 

私たちはロンドンに着いてすぐにB&Bにチェックインし、
ミュージカルの聖地、ピカデリーサーカスを最終目的地として
ロンドン観光とミュージカル観劇に繰り出しました。つづく

留学後半戦

 一年間の英国遊学を終えて帰国した私はツアーコンダクターとなり、
旅に係る仕事に就きました。

 

その後仕事で様々な国へ行き、多くの人々に出会いましたが
今でも「初めての自由旅行」で訪れた様々な街や人々との出会いや出来事は、
私の心に大事な宝物として残っています。

 

 さて活動拠点のヘイスティングスに戻ったものの、
仲間になった友人たちは皆帰国してしまい、
賑やかだった毎日がすっかり寂しくなってしまいました。

 

 そもそも語学学校は「最低二週間から」と書いてあったので、
みんな長期滞在するのかと思いきや、
ヨーロッパの人達は夏休みやバカンスを兼ねていて、
短い人は二週間で帰国してしまい、
やっと仲良しになれた途端にお別れしなければならない。

 それではあまりに寂しいので、長期滞在型の学校に行くことうを決意しました。

 

 今の学校の滞在期間を変更解約して、
隣町のイーストボーン(Eastbourn)に移動、心機一転、
新しい学校、新しいホームステイ先で九月~十二月までの三か月間を
過ごす事にしました 。

 

 今振り返っても、昔の自分からは考えらえれないくらいの
決断力がいつの間にか身についていました。

 

 ヘイスティングスはのんびりゆったりと過ごす
年配の方々に適した閑静な避暑地の町だったのに対して、
イーストボーンは若い学生も多く、
ビーチサイドにはピアと呼ばれる埠頭があり、
その中に日本で言うゲームセンターもあり、
比較的活気のある街という印象でした。

 

 私はこの三か月間も十六歳の娘さんがいる、
ごく普通のイギリス人家族のお宅にホームステイしながら、
お世話になることにしました。

 

 わくわくしながら学校へ向かい、案内されたクラスに着くと、
そこには十二人位の生徒達がいました。

 

 スイス人、スペイン人、ペルー人、そしてクラスの半数を占める日本人。

 

 前の学校には日本人があまりいなかったので、ちょっとびっくりしたのでした。

まさかの!本場パエリア

 翌日、最終目的地であるグラナダ目指してイベリア半島を列車で南下。

 

 途中のバレンシアという地中海沿いの街にも立ち寄りながら旅を続けました。  

 バレンシアスペイン料理を代表するパエリア発祥の地。
せっかくだから是非本場の元祖のパエリアを食したい!と
二人でレストランに意気込んで入り、
海沿いの街だし、
さぞかし新鮮な魚介類が沢山乗ったパエリアが出てくるだろう、
わくわくしてパエリアが運ばれてくるのを待っていました。

 

 しかし、そこには私たちの想像を完全に覆したパエリアが登場!

 

 元祖パエリアは、な、なんと、
骨付きチキンがゴロゴロとサフランライスの上に載ったものでした・・・!

 

 「パ、パエリアって魚介類が上に載っているんじゃ無いんだ~。」
と二人で唖然としましたがなかなか美味しく、
なんだかんだとお腹いっぱい食べて満足したのでした。

 

 さて、お腹を満たした私たちはいよいよ
今回の旅の最終目的地であるグラナダを目指して、
列車、バスを乗り継いで行きました。

 

 グラナダは目の前にアフリカ大陸が迫り、
かつてイスラム帝国の支配を受けた影響から、
エキゾチックな街並みが魅力のスペイン南部アンダルシア地方の中心都市。

 

 かの有名なアルハンブラ宮殿があります。

 

 日本では「アルハンブラ宮殿」と呼ばれていますが、
Alhambra スペイン語ではHを発音しないので、
音的には「アランブラ」と発音しないと通じません。

 

 更にJも発音しないので、
日本の国名Japonジャポンではなくハポンと発音します。

 

 グラナダの宿は語学学校のお友達、
17歳のカルメンちゃん宅。

 

 駅に到着した私たちは早速彼女に電話をかけました。
しばらくして、カルメンちゃんが元気に駅まで迎えに来てくれました。

 

 そのままカルメンちゃんのお宅に荷物を置かせてもらい、
三人でグラナダ観光に向いました。

オレオレ スペイン

 不思議なサルバドール=ダリ美術品の空間を鑑賞した後、
地中海沿いにスペインを南下して一路バルセロナへ。

 バルセロナは、スペイン北東部に位置するカタルーニャの州都で、
バルセロナ県の県都でもあり首都マドリードに次ぐ第二の都市。

 

サッカー選手、アルゼンチン出身のメッシとブラジル出身のネイマールが所属しているというFCバルセロナでも知られています。

 また、かの有名な建築家アントニオ=ガウディのサグラダ=ファミリア教会、グエル公園など建築に興味がある方にはたまらない街です。

 私達は駅前のペンションに宿を取り、荷物を置いた後、
サグラダ=ファミリア教会へ路線バスで向かいました。
 この教会は、1882年に着工が開始して以来
133年が経過した現在でも建築途中であり、
壮大な建築計画を残してこの世を去ったガウディの意思を引き継ぎ、
各国の建築家、彫刻家が完成を目指して日々製作し続けている驚きの教会です。

 私達が訪れた、25年前は足場が組まれた教会内を見学したり、
いくつも聳え立つ尖塔の中にも入ることが出来ました。

 是非2026年に完成した暁には、もう一度訪れてみたいと思います。

 その後、グエル公園等を見学して宿に戻り、
夜はスペインのBARでTAPASというおつまみとともにビールを飲み、
美味しいスペイン料理に舌鼓をうちながら、旅の疲れを癒したのでした。

 因みにスペインの食事時間は非常に長く、
昼は午後1時から午後4時頃までシエスタと呼ばれるお昼寝タイム。

 商店は一斉に昼休みに入り、その間みんなのんびりとワインを
飲みながらランチを楽しみます。
 夜は午後9時から真夜中までおしゃべりを楽しみながら夕食を取る。
 楽しい会話と美味しい食事で日々人生を謳歌しているわけです。

 流石に二十歳そこそこで、スペイン語もわからず、
旅の疲れもある私達は、そんな遅い夕食まで待つことも出来ないので、
地球の歩き方に載っている近所のBARで簡単に食事を済ませたのでした。